第四章

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そして5人で練習を始めた。 渉と2人きりの時よりずっと本格的な練習だ。 隼斗は渉に向かって全力投球をし、その球を1人が打席に立って打ち返す。 そして残りの2人が打たれた球をキャッチする。 かなり基本的ではあるが、ピッチング、バッティングそして守備の練習が一度にできる一石三鳥のいい練習だった。 「ほう、随分と真面目に練習してるみたいだな」 隼斗達が練習していると顧問が現れた。 「これ、入部届です」 隼斗と渉は顧問に入部届を渡した。 「ん? おい、何だこりゃ 顧問である俺の名前が書いてねーじゃねーか」 「すみません、先生の名前を知らないもので・・・」 隼斗が言った。 「あぁん? ナメてんのか? 顧問の名前を知らないとはどういうこった! 今回は特別に教えといてやる、俺の名前は宮越雅斗だ よく覚えとけ!」 顧問の宮越が言った。 隼斗達は入部届にすぐさま顧問の名前を書いた。 「うん、確かに受け取った まぁ俺個人としてはお前達の事を認めちゃいないが、やるからには頑張りな」 そう言い残すと宮越は去っていった。 その後も練習を続け、気が付くと既に辺りは暗く時間は7時を過ぎていた。 隼斗は正直嬉しかった。 やっと野球部の練習らしい練習ができたからだ。
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