運命

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「…」 零「……」 重い空気が流れる。 最初に口を開いたのは零だった。 零「だから貴方は狙われたの。まさかこっちの世界まで来る方法があるなんて知らなかったけど」 「じゃあお前はどうやって…何で来たんだ?」 「私は…」 少し間を開ける。 話しづらそうにこちらを上目づかいでチラチラ見ている。 零「貴方に会いたかったから…じゃダメかな?…今は。」 納得できないが人には話したくないこともある。 それは俺が1番よく知っていた。 零「どうやっての方は貴方と同じ。転移魔法を使ったの」 …何かおかしい。 「じゃあなんでお前は記憶があって俺はないんだ?」 零「わからない…」 蓮「なっ…わからないじゃねぇだろ!!」 零「そんなこと言われたって…。記憶がないのは転移魔法の副作用なのか、それかこっちの世界で何かあったかだと思うけど…」 記憶? …そういえば、俺には両親が死んだ時の記憶がない。 「あの時、断片的じゃなくて…前世の記憶も全て消えたのだとしたら」 説明がつく。 だとしたらあの時見たのは事故なんかじゃない? 零「あの時?」 「あぁ…俺には両親が死んだ時の記憶がないんだ。事故らしいんだが俺も一緒に居たはずだったけど」 零「じゃあその時に…」 「あぁ、無くしちまったんだろーな」
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