運命

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零「転移魔法は自分を死に追いやり、これから生まれる赤ちゃんに精神を転移する魔法。そこまでしないといけない理由があったんだろうね。」 零にとってそこまでしなきゃいけない理由はなんなのだろう…。 すごく聞きたいところだが話が進まなさそうなので聞かないことにした。 「魔法って…さっきのようなやつか」 零「そう。この世界では環境魔力が少ないから札を媒体にしないと使えないんだけど」 「俺にも使えるのか?」 零「誰にでも魔力はあるし、その人の属性が存在するの。だけどこの世界では無理ね。さっきも言った通り環境魔力が足りないし、私は巫女だから使えただけ」 零の話からすると、“向こうの世界”は相当ファンタジックのようだ。 零「私達の存在を知られた以上、この世界にいるのは危険ね。敵は世界を渡る方法も手に入れてるみたいだし」 「でも、俺達はそんな方法ないんだろ?」 零はしばらく考えこむように黙っている。 零「一つだけ」 「あるのか!?」 零「敵がモンスターを送ることができるってことは、その瞬間は世界は繋がっているってことじゃない?」 確かにそういうことになるが…。 「無理だ…。少なくともモンスターを倒さなくちゃこっちの世界に被害が出る。それに、それだといきなり敵の本陣に乗り込むことになるぞ」 零「でもそれしか…」 確かに今は方法がない。 俺達がここにいる方が被害は大きくなるだろう。 二人は黙り込む。 いい案など出るはずもなく、ただ時間だけが過ぎていった。
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