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ハイル「どうだ?今までの貴様の苦しみ、過ち、罪。様々な負の記憶が貴様を浸食していく。」
「うっぐ…オェエ」
ハイル「どうした。もう終わりか?」
ハイルは薄ら笑いを浮かべる。
―その瞬間。
ハイル「がっ!?」
蓮がハイルの首を掴む。
そして大きく振り回し前方へ投げ付けた。
ハイル「ぐあっ!!」
さっきとは逆、ハイルが激痛にうずくまる。
ハイル「貴様っ…どこにこんな力が…!?」
蓮は俯いた顔をあげて静かに睨む。
しかしそこには燃えるような真紅の光を宿した瞳があった。
ハイル「まさかその眼は…」
“真紅の使徒”
ハイル(過去を見せたことで目覚めたのか!?)
辺りが朱色に染まる。
ハイル(これは…空間隔離!?)
「“陽炎”」
蓮が身体を揺らすと、朱の世界もまた揺れた。
隔離された空間、周りから火の粉が舞う。
やがて火の粉は渦となり、ハイルの周りを球体を描くように荒れ狂う。
ハイル「この術っ…防ぎきれない!!」
「…陽炎と共に沈め」
ハイルの方に向けた手を握る。
すると荒れ狂う火の粉はハイルに向けて圧縮され、弾ける。
弾けた火の粉はハイルと共に、また球体を描きながら沈む。
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