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「うぅ…」
全身が痛む。どうやら地面に体を打ち付けたらしい。
「ここは………?」
零「目が覚めた?」
零がクリッとした眼で覗き込む。
「うわぁ!?」
驚いてまた倒れる。
「零…か」
零「うん♪…そんなに驚かなくても😢」
「わりぃ。それよりここは?」
周りを見渡すと沢山の木がいくつも枝分かれして真っ赤な紅葉を彩っていた。
「さっきまで冬だったのに…」
零「“こっちの世界”は気候が様々。春夏秋冬場所によって変わるんだよ♪」
「なるほど…」
その分旅は大変なものになりそうだな。
零「それよりこっち来て!」
零に手を引かれ、ゆっくり歩く。
そこは崖になっていた。
遥か下には悠然と壮大な自然。
山に囲まれたその世界は太陽の光に包まれて輝いていた―――。
「………すげぇ!!!!」
“向こうの世界”ではありえない、そんなずっと昔のような自然がそのまま残っていた。
見渡す限りの大平原。その向こうに見える大きな山達。そこから山を割って手前の平原まで延びる巨大な谷…。その全てが美しかった。
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