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外に出ると雪が降っていた。
「さみぃ~(-"-;)」
やわらかな、わりと大きめの真っ白な雪。
いつもの通学路を歩いていると、いつもと違うことに気付いた。
(人が…いない!?)
街の広場に着くとやはり人はいなかった。
いや―――。
(あれは…女の子?)
水色のマフラーが似合う短い髪の少女がそこに立っていた。
「なんだよ?」
やけにジロジロ見てくるのでつい聞いてしまった。
少女「蓮…覚えてないんだね」
(!?)
何で俺の名前を…。
「あんたいったい誰だ?…何で俺を知っている」
少女「…そっか。やっぱりね」
…は?
意味がわからない。
頼むから勝手に納得しないでくれ…。
少女「あ!私の名前はね、水城零。記憶がないのは残念だけど、また会えるといいね♪」
それだけ言うと零はどこかへ行ってしまう。
「お、おい!まてよ」
必死に追いかけようとするが、零は降り注ぐ雪の中へ消えて行く。
「はぁはぁ…」
(なんなんだよ、いったい)
少女が完全に見えなくなると、辺りは明るくなり人々が溢れるいつもの街に戻った。
(これは………)
考えれば考えるほどわからない。
「あ~遅刻!!」
もう学校は間に合わないだろう…。
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