運命

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そこは古いお寺だった。 「やけに広いな」 そう、ものすごく広い。 零「代々神様を奉ってきた由緒正しい寺らしいからね」 「へぇ…」 ひたすら長い廊下を歩く。 1番奥の部屋、客間に連れて行かれると零は本題に入る。 零「それで、何から話そうか」 「…まず、さっきの化け物について」 零は淡々と話し出す。 零「ん~とね、信じられないかも知れないけど、あれはこの世界とは別の世界から召喚されたの…」 …半分予想通りのベタな話だ。 「何のため?」 一瞬、零が口ごもる。 零「それは…貴方を狙ったんだと思う」 ドクン―。 俺? 俺を狙ってどうするんだよ…。 「何で…俺なんだ」 零「やっぱり覚えてないんだね」 「何がだよ!!」 自然と声をあらげる。 それでも零は何食わぬ顔で話続ける。 零「貴方も別の世界の人間なの」 は? …俺は18年間この街で生きてきたんだぜ? 「何言ってるんだよ…俺は」 零「正確に言うと、前世ね」 余計に意味の解らない…。 零「貴方は前世、“向こうの世界”に居た―。」 それから零の話した内容は、俺は“向こうの世界”で特別な存在だった。 どう特別なのかは教えてくれなかったが、ある特別な力を使って、いろいろな国や組織の傭兵をしていたらしい。
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