浜田省吾との出会い

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忘れもしない、暑い夏の日だった。当時幼稚園児だった俺は、母と姉と一緒に母の実家へ遊びに行った。ひとしきり遊び、そろそろ家に帰る為に車に乗った。暑い夏の日の午後。車の窓を全開にし、「暑い」などと言っていた俺達を尻目に母は一本のカセットテープをオーディオに差し込んだ。この時こそ、彼―浜田省吾との出会いの時だった。「この町のメインストリート、僅か数百m…」初めは、「なんだこの歌?」と幼心に思いつつ、母の車に乗っている時はかじりつくように聴いた。当時「油にまみれて俺を育てた」の意味が分からず、本当に油にまみれる仕事があるものか?と考えた事がある。その意味が分かり、浜田省吾にどんどんのめり込んで行くのは、十年後のお話…
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