51人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
雨粒が木の葉に触れるその時、ポタっという小さな小さな音が響き、落ちていく。
人生とはそんな、小さな音でしかない人間を受けとめる、大きな木の葉のようなものだろう。
確かに、小さな音だ。しかし、重なり合えば大きな音となっていく。
人間とて、重なり合えば大きな力となる。木の葉を大きく揺るがす雨粒となる。
だが人間は大いなる権力を恐れ、そこから逃げ出す。
今、この雨の中を走っている幼い少女もその一人だ……。
最初のコメントを投稿しよう!