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時はあっという間に放課後。
聖也が見守る中(帰れと言っても帰らないので諦めた)俺はただ一人教室で瑠琉香ちゃんが来るのを待っていた。
「……………ゴクッ」
緊張のあまり固唾を何回も飲み込む。手はじっとりと汗ばんでいた。窓から流れてくる冷たい風が心地よい。
心臓は…一秒に二回くらい脈打ってんじゃねーかってくらいだ。
ガラッ
来たーーーっ!!!
瑠琉香ちゃんは長い黒髪を風でなびかないように押さえ、うつむき気味だった顔をゆっくりとあげた。
目があう。
本日二回目…。
うあー。幸せだ。
しかし、浮かれている場合ではない。さっさと用を済ませなければっ!
「…瑠琉香ちゃん。」
ヤバイ、気持ち悪い…。顔熱い。口から何か内臓的な物が出そうだ。
…あ、お食事中の方ごめんなさい。
「何?」
可愛らしい小さな声で彼女は言った。
…今、伝える。
今日こそっ……………
「俺っ!君の事ー…
好きだっ!!」
「あっそ。」
…
…
…
…え?
「…あの…?」
俺、告白したよね?
「用事それだけ?アタシ友達待たせてるから。」
そう言い、彼女は立ち去ろうとする。
えええ!?終わりですか!?
「ちょっ…告白流すなっ!!」
あ。
しまった。聖也と同じノリで…!
謝ろうと口を開いた時には遅かった。
「瑠琉香ちゃん、ごめ…」
「あぁん?誰にモノ言ってんだ、おめーはよぉ!」
………………………………はい?
「え?」
「え?じゃねえんだよ、クソ野郎が!!」
ちょっ…あの君本当に瑠琉香ちゃん?
今の彼女は教室の時の、天使のような雰囲気ではなく
ドスのきいた声で俺の胸ぐらを掴み凄んでいる。
…………………え……?
俺の中で何かが音を立てて崩れ落ちた。
「てめぇ、せっかくアタシが教室まで告白聞きにきてやったのにその言い方は何だよ!」
「す、すいません…。」
この子誰!!?
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