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宮下は部長室に呼ばれていた。ドアをノックし、中に入った。
「宮下君かね。まあ掛けたまえ。」
失礼しますと言って椅子に座ると、上司の山本は話し始めた。
「君は中国のある村で極めて奇怪な事件が起きたのは知っているかね。」
「はい、今朝のニュースを見ました。」
山本は頷いて、
「実は君に現地に行って調査をしてきてもらいたい。なぜ君のような生物学の研究者が行くのかは、君も察してはいるだろうが、我々はあれはただの猟奇殺人ではなく、細菌に感染した者が行ったのではないかと疑っている。」
「やはり、あれは人喰病菌による行動ですか。」
宮下の質問に山本は驚いた。
「知っていたのか、人喰病を。」
「詳しくは知りませんが、第二次大戦中、関東軍の七三一部隊が研究・開発をしていたとぐらいしか。詳しくお聞かせ願いますか。」
山本は息を吐いて話し始めた。
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