発症

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「知っての通り、人喰病菌は七三一部隊が研究・開発をしていた。当時の軍部及び政府は、日中戦争の泥沼化して、アメリカとの開戦が避けられなくなっていたときだ。軍部にある計画が持ち上がった。三号作戦と呼ばれるものだ。」 「三号作戦。」 宮下は聞き返した。「そうだ。この作戦の内容は、敵兵に細菌を感染させ、感染した敵兵をコントロールし、敵の作戦を攪乱、密告し自軍が有利に作戦展開出来るようにするものだった。当時、関東軍に生物兵器を研究・開発する部隊があったため、七三一部隊に研究命令が下りた。七三一部隊の研究者たちもこの作戦が興味深かったらしく、すぐに研究が行われた。何人もの中国人を使ってね。やがて日本がアメリカに宣戦布告し、太平洋戦争が始まった。序盤は君も知っての通り、日本軍が優勢であったがミッドウェー海戦で大敗を喫して以来、日本軍は守勢に転じた。そのため、研究も早急に行わねばならず夜を徹して行われた。そんな時、あの悪魔の孤児/人喰病菌は生まれた。」
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