発症

2/23
2585人が本棚に入れています
本棚に追加
/289ページ
『次のニュースです。』 深夜の当直が終わり、食堂でパンとコーヒーの朝食をとっていた宮下修司は、薄ぼんやりとテレビのニュースを見た。 宮下がいるこの免疫研究所は、感染病のワクチン開発とある研究を行う、防衛省管轄の極秘機関だった。感染病のワクチンを開発する機関なら公の機関でもあるが、この免疫研究所は細菌兵器ワクチンを作ったりする軍事的役割を担っていた。 しかし、ここはそれ以外の研究も行っている。 ここは七三一部隊の戦後バージョンと言っても過言ではない。 七三一部隊=通称関東軍防疫給水部、日本がまだ大日本帝国と呼ばれ、中国と戦争をしていた時、生物兵器の研究・開発を行い、実際に使用した。多数の中国人・ソ連赤軍・朝鮮反乱分子などで人体実験を行い、殺傷していた。 この部隊は大日本帝国崩壊/ソ連の満州侵攻時に解体したが、GHQ解体の後七三一部隊の関係者によって極秘理に設立された。
/289ページ

最初のコメントを投稿しよう!