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免疫研究所の地下七階でここの責任者たちの会議が行われていた。
「山本君、君はあの事件をどうとるかね。」
この研究所を総括する川田は、細菌部門の責任者である山本に意見を求めた。
「今回、中国で起きたこの猟奇殺人とあれの関係性は極めて濃いと断定しても過言ではないかと考えます。もともとあれは中国で研究されていたものですし、中国の軍部が秘密裏に研究を継続させていたのもまた、調査の結果明らかです。」
「しかし、あれはあの時点ではまだ完成していなかったぞ。」
「中国が完成させたと考えるのが妥当では。」
重苦しい空気が場に流れた。
「しかし、当時あれの研究データもサンプルも廃棄したはずだぞ、すべて。」
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