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ビローが唸りながらソファに踏ん反り返ると、ミーナが見下ろしていた。
「…絵描いてたんじゃないのか」
「はい。ポーの絵描けましたよ。ところで、どうでしたか?なにかわかりました?」
ミーナの問いにビローは伸びをしてあくびを噛み殺しながら答える。
「まあ、多少の情報は手に入ったかな」
そうつぶやきビローはミーナに読んでいた本を渡した。
「その本、虫喰いが凄いぞ」
「…ホントだ」
ミーナは本を開いてつぶやく。
「あと、読めない言葉の本ばかりで、まともに読めた本は、それだけだ」
ビローはミーナの持っている本を指差して言った。
ミーナは山積みになっている本を一冊手にとり、開いて眺める。
「…『伝説の剣、神の力と三つの秘宝なくば力を得ることは出来ない。三つの秘宝は三方に別れ、神々が守る』…って書いてありますね」
ミーナがこともなげに読み上げると、ビローは驚いて目を見開く。
「…ミーナ、その言葉、読めるのか?」
「ええ。古代文字はおじい様に教えてもらったからたいていはわかりますよ」
「…さすがは神だな…」
ビローは思わずつぶやき、ミーナは苦笑を漏らした。
『神々は守る。
三つの秘宝を。
神々は守る。
伝説の剣を。
三つの秘宝は三方に飛散し。
神々が守る。
東の朝露の谷。
南の湿帯の祠。
西の黒の洞窟。
北の極寒の山。
どこかに秘宝が。
どこかに伝説の剣が。
王の墓を探し。
この世界に救済を。
この世界に破滅を』
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