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彼らは私を見ると、嬉しそうな表情になった。"彼"がつぶやく。
―――やっと見つけた。
そして"彼"は隣に寄り添う"彼女"を見つめた。"彼女"も"彼"と同様、嬉しそうに目を細めていた。
―――長かったなあ。
傍らにいた"獣人"がのんびりと呟き、そうだな、と後ろにいた"男"は頷く。"子供"は無言だったが、頭の上にいた"竜"はほっとしているようだ。
"彼"は"彼女"から何かを受け取り、私の近くにある三つの台座にそれらを置いた。
"彼"は静かに言った。
―――これで、封印は解かれるはずだ。
"彼女"もこれに頷き、私を見つめる。
私は歓喜に涙が出そうになった。
ありがとう、と、彼らに伝えたい。
すぐにでも、そう、すぐに私は彼らに伝えられるだろう。
私の近くにある三つの台座に置かれたそれらが光り、それは私を捕らえていた力を押さえ込んでくれた。
"彼"が"彼女"を促し、頷いた"彼女"は私を押さえるそれに手をかける。力を込めて、一気に引き抜こうとした。
ありがとう。
私が出て来たらすぐに、
"悪夢"という名のお礼をさせてもらいます。
"彼女"が"剣"を抜いたその刹那、
私の復活と、
全ての神の死が、確定した。
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