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「せんぱ~い。お疲れ様ですぅ~。」
相棒に駆け寄る女の子が一人。
四月から入ってきた俺達の後輩で、
「先輩本当に巧いですよね~。」
「別に大したことないって。」
テニス部のマネージャーで、
「スマッシュする姿…カッコ良すぎですよ。もう、大好きぃぃ。」
「ゆみの応援してる姿もめっちゃ可愛いかったよ。ちなみに俺も大好きぃぃ。」
相棒の…、
「ゆみの方が大好きだよ?誰にも負けないし、先輩は私だけのものなんだから。」
「じゃあ俺は愛してる!勿論俺が一番だし、ゆみは絶対誰にも渡さないからな。」
彼女…だ…
「じゃあ私も愛してる。」
「俺達ずっと一緒だからな。」
………。
黙ってその場から離れる。
俺はこれが嫌だった…
彼女いない歴=年齢。
思春期真っ只中の俺にとっては、正直あれは見ていられない。
羨ましさが加速し怒りを感じつつ、その怒りに空しさや更に怒りを感じて、俺の心境を複雑化させていく。
そのプレッシャーから逃れる為に、俺は一人になることを選んだ。
「ラブラブなのは、良いことなんだろうけどさ…」
荷物を枕変わりに寝転がる。
「バカップルはちょっとな…」
ほんの少しの負け惜しみ。
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