まりな

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しばし沈黙…。 ダメだ…やっぱりわからない… 「えっと…どちらさん?」 「さあ?誰でしょう?」 いや知らないから聞いてる訳だが… 普段から人の顔と名前を覚えるのが苦手ではあるが、目の前の女子は、どうも記憶にない。 いや、何となく見た限りだと年上っぽいから… でもこんな先輩いたっけ…? 「ねえ、こんなとこで一人で何してるの?」 隣に座る女子。 慌てて起き上がる俺。 「えっと…寝てた?っすね。」 「さっきの試合、凄い長引いたしね!お疲れ様!」 あっ…見てたんだ…。 少し嬉しい俺。 「いや…大した事ないっすよ。」 正直しんどいけど…。 「二年生なのに凄いね!うちの一番手って、それなりに有名だったんだよ。」 話していてわかった事は、彼女は三年で、準決勝の相手の学校の女子テニス部であること。 そして、テニス部部長であることもわかった。 それにしても、普段人見知り…と言うか、彼女欲しいけど女の子が苦手な俺にとって、ここまでスムーズに話せる人は初めてだ。 ふと相棒達の顔が浮かぶ。 まあ…ないな…。 その時、場内にアナウンスが流れた。
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