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さっきから
「オレが組む!」
「いやオレだ!」
何なんですか?
「絶対オレ!」
「たまには譲れよ!」
人を挟んで
「身長差がありすぎるだろ!」
「おめぇとだって身長差あんだろ!」
喧嘩やめてくれない?
「オレのが身長近いもん!」
「なら本人に聞いてもみよーぜ!」
え?何この熱苦しい視線…。
「新八っつぁんはどっちと組みたい?」
「…何が?」
「体育祭の二人三脚に決まってるだろ!」
「あーはいはい…。」
そう言やもうすぐで体育祭か。
一年の時は左之と組んで、二年の時は平助と組んだっけ。
思い出したくないが、二人ともオレの身長お構い無しなんだもんな…。
「「で、どっちと組む?」」
「………、」
面倒臭いナ…。
左之を選んだら平助は絶対に泣いてくるし、平助を選んだら左之は騒いでくるし。
そうだ!
「オレ、総司と組むわ!
「「え…!」」
「そしたらお前等二人で組めば良いだろ!」
二人のどっちかじゃなくて、二人以外のにすれば良いじゃん!
そうすればケンカしなくてすむんだし。
それに、もし今年もどっちかと組んでも絶対に身長のこと忘れるに決まってる…。
だったら総司のが良い!
「じゃオレ、総司んとこ行ってくる。」
この後二人が騒ぐのは目に見えてるから一先ず退散ってことで。
数日後。
体育祭の二人三脚ではオレと総司が組んで、左之と平助が組む姿があった。
‐終‐
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