短編小説集第⑥部

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ある日の事。     兄弟達が居なくなった時と同じ様に見知らぬ人間が吾が輩達の居る縁の下に近付いてきた。     吾が輩はいつもの様に縁の下でごろ寝をして人間には近寄らなかった。     妹は真っ先にしっぽを力強く振り母親の飼い主とその見慣れぬ人間に近付いて行った。     吾が輩は横目で見る程度だった。     しかし、母親が飼い主のしんちゃんに呼ばれ、しんちゃんに近付いて行ったので、吾が輩も動かざるを得なくなったのだ。     吾が輩は人間にしっぽを振る事なく、母親の後を追いかけた。
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