短編小説集第⑥部

6/20
前へ
/22ページ
次へ
吾が輩が縁の下から出ると直ぐにしんちゃんではない、見知らぬ人間に抱き抱えられた。     人間に抱き抱えられたのはこの時が初めてだったが悪い気はしなかった。     しんちゃんはこの人間をマー君と呼んでいた。     そして、この時が母親と妹の姿を見た最後の日となったのだ。     吾が輩はこのマー君と呼ばれていた人間に誘拐されたのであった。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加