プロローグ

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ロッソの街に、夏が訪れていた。 湿気を多量に含んだ南風が、街道を吹き抜ける。 気温は今朝からぐんぐんと上昇し、昼頃には日陰で休んでいても汗が止まらなくなるほどになっていた。 道行く人々は皆、その暑く重たい空気の中を陽炎のようにゆっくりと進んでいた。
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