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ブーーーーンブーーーーーン
警報が鳴り始めた。
基地内に侵入したD少年は
血のように赤く輝く管制塔の
ライトに目をつけ、
包丁を振り回しながら垂直な
塔の壁をドドドと走って登り始めた。
「緊急事態!緊急事態!
この基地に凶暴なUMAが攻め込んできた!撃ち殺した者は賞金1000万ドルだ!
よーしパパ頑張っちゃうギシャアアアアア!!!!」
一児のパパ兵士が緊急事態を知らせていた管制室は、塔を
登ってきた長大な包丁を持ってコマのように回転しながら暴れ狂うD少年によって、10秒で全壊してしまった。
直後、瓦礫の山となった塔のてっぺんからD少年は這い出して、包丁を掲げ咆哮した。
「人を騙し、人を傷つけ、人を踏み台にするような人間が、カワイイ女の子と遊んだり、
大金を得たりしていいんでしょうか!? 世の中間違っていると思いませんかああああ!!!!??」
D少年が涙を流して説教らしき言葉を喚き続けるなか、
小銃を持った米軍兵士が続々と集まってきた。
「UMA!1000万ドルだ!」
「酒だ!ハーレムだ!」
「こいつはジャパニーズガールをレイプしてる場合じゃないぜえええ!!!」
「ママにプレゼントするんだあっ!」
「ようやく俺も故郷に錦を飾れる日が来たってわけだ。」
「なんだこいつら、UMAと聞いたら30秒で駆けつけてきやがった。訓練のときもこれぐらいビシっ!と、集まってくれないかなー。」
「あ、大佐だけロケットランチャーなんてズルイですよ!」
D少年は自分の悲痛な叫びを
聞き入れない俗人どもに堪忍袋の緒が切れたのか、髪を逆立て
腹が破れんかの勢いで最後の声を上げた!
「てめーらみたいな食べ物とセックスのことしか頭にない
バカにも分かりやすいように
俺の魂の叫びを要約して言ってやる!!!!
…ヴォオオオクもセックスしたかったよぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
「ぶちころせええええええ!!!!!」
銃声と爆音が3分間鳴り続けた。
もちろんD少年は日本語で叫んでいたもちろんD少年は日本語で叫んでいたので兵士達には通じなかった。
割と日本語が上手な大佐も少年をUMAだと思い込むあまり、めずらしい鳴き声だとしか思わなかった。
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