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「また制服のチェック? 大丈夫よ、サラは何を着てもよく似合うわ」 親の思いやりや偏見などではなく、カスミは本心からそう思っていた。 それを感じたのか、サラは「えへへっ」と笑って母親に抱きついた。 「でも、そろそろ時間だから荷物をまとめておいて。それから、エルを呼んできてくれないかしら」 「はい、お母様」 母親に言われて隣の部屋を覗いてみるが、そこに姉の姿はない。 エルと呼ばれたのはサラの姉で、シルクレア家の長女。 本名、エオリア・シルクレア。 愛称、エル。22歳。 マイペースな彼女は、長女であるのにもかかわらずいつもサラの手を焼かせてばかりいる。 きっと今も、午後のティータイムを楽しんでいるに違いない。 「えっと、荷物は……まとまってるわね」 それでも荷造りは済ませていたらしく、ベットの上に山ができていた。 念のため、部屋に入って中を見渡してみる。 やはり姉はいない。 それを確認したサラは、部屋を出て階段へと向かった。 この航海中、姉はいつもデッキにあるベンチでお茶を飲んでいたので、今もそこにいると思ったからだ。
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