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その予想は大当たりで、いつもの場所に姉はいた。 けれど、サラは立ち止まったままで姉に近付こうとはしない。 その訳は、エルの周りにいる男性たちにあった。 近くに、いや、エルの姿が見える位置にいる男性全員の視線が彼女に集まっていた。 ウェーブがかった金色の髪が白いワンピースと一緒に風になびき、気品に溢れたその姿を神秘的に映し出している。 清楚でありながら、どこか妖艶さを感じさせる不思議な魅力に、男たちの目は釘付けになっていた。 ――どこに行ってもこうなるのね……。 こんな光景は、今に始まったことではない。 姉はどこに行っても注目の的なのだ。 サラからすれば息苦しい状況だが、エルはそんな事は一切気にしていない。 どんな状況でも自分の時間を存分に楽しむことができる。 そもそもエルは、母方の祖父であるレイスティア家の面影が強い。 古くから続く貴族の家柄に影響され、今の性格や考え方が出来上がっているようだ。 一方、そんな感覚とは無縁のサラは、姉にどうやってあります声をかけようか迷っていた。 こっちを向いてくれれば合図を送ることもできるだろうが、姉は海から視線を動かしそうにない。
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