乗り越えるべき壁

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「う、…うん…?」 あまりの緊張に、うわづる声。そして小さな迷いから、語尾が上がってしまう。 両頬がすっとひんやりする。包んでいた雅の温かい手が離れたのだ。 「なんだ、その頼りない返事」 声の感じと熱から、まだ近くにいる事はわかる。 「あは…いや恥ずかしいっていうか…初めてだから」 「俺だって初めてだ」 雅の声色は不安そうで、不覚にも私はそれが嬉しかった。 「そんな顔して…襲うぞ」 「!」 顔が見えていたのかという事実に慌てようとした時 .
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