初めての

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「俺たちも落ち着いてないだろ」 「あ、あ~、そうね」 「なんだ、その反応」 ―何かトラブルがあったのかと思った 家を通りすぎた雅は 「お前の部屋、解約と…引っ越ししなきゃいけない」 「そりゃそうだけど…今からどこに?」 「区役所」 「え?」 「……まだ早いよ!」 しばらく考えた私は、雅に訴える。 「すぐ書類は揃う。入籍の許しももらったんだ」 「は。いつの間に…」 手早い雅と、またもやそれを了解した両親に、ため息がでた。 雅は見逃さず 「ため息つくなよ」 「ごめ…」 私は俯いた。 「入籍は今日じゃ嫌?」 .
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