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雅に背をむけた私は、雅がどんな格好で部屋を出たのか、わからなかった。
―寝てていいよって
今までになく優しいんですけど
少し笑いながら、雅の言葉を思いだし、優しさに浸る。
こんなに幸せだと感じた事はなかった、と柔らかい布団を自分の身体に巻き付けながら思った。
求められるものと
それと同等かわからないが
私も求めた…
寝室のドアは開いていて、キッチンから物音とともに微かにご飯の香り。
―…どうやって起きよう?
落ちた服を拾い上げ、それを着るとしても、着ている様が恥ずかしく、ドアが開いている今は身動きがとれない。
「ほら」
布団にくるまり、もぞもぞ動く私の近くに来ていた雅は、目の前にバスローブを置いた。
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