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ようやく布団の中で、バスローブを着た私は寝室から出た。
テーブルには鍋がおいてあった。
雅は、テーブルに私の視線が固定されている事に気づき
「和風リゾット、みたいな?」
雅は先に椅子に座った。
向かい側に座った私は、鍋の中が気になった。
「大した料理じゃない、けど…俺が作ったのを食べるのは初めてだな」
「うん」
―おいしそ~
「早く食べようぜ」
「うん!」
開けられた鍋のふたから、湯気と優しい香り。
「食べながら、どうやって作られてるか考えろよ?」
「……っは?!」
雅はお椀によそっている。
「修行とか、そんな事言わないよね?!」
私の言葉に、雅は不敵な笑みを浮かべた。
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