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「いや、続ける。今度は俺の親に恥ずかしくないような嫁になるため、にな」
そう話すと、私の前にお椀を置いた。
「あぁぁ~~」
頭を抱えて、叫んだのは、言うまでもない。
―雅の親に会う事、忘れてた!!
「お前の叫びは、修行が続く事の拒否反応か?それとも俺の親の事…」
「修行に決まってるじゃない!」
雅が最後まで言い終わる前に、慌てて言い返した。
雅は先に食べ始めた。
私はこれからの修行より、もちろん…雅の親に会い、挨拶をする事への動揺で頭が真っ白になった。
せっかくの雅の料理を目の前にして…
幸せなあの気持ちは、いとも簡単に崩れ去った。
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