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それから母親と遅いランチを食べた。
確かに深雪に結婚してほしい…そう前から話していた。
見合いは初めてではないのに、今回のように調べさせたのは初めてだ。
ましてや、修行の先生という偶然出会った相手との結婚を、こうも簡単に許すなんて…
私は様々な考えを巡らせたが答えは見つからず、母親に聞いても、結果は見えていた。
「また連絡ちょうだいね」
母親を家の前で降ろし、窓をさげて運転席から言う。
「はいはい」
呟く母親を見て、少しずつ大きくなる罪悪感のようなものを意識し始めた。
私がすすめなければ、深雪は雅とは結婚すら意識しなかったかもしれない…
深雪の未来を潰したかもしれない…
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