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私からいつ出掛けるのか聞くのも、気がひけ、黙って洗面所へむかった。
洗面所で自分の姿を鏡に移した時、ある事に気づいた。
思わず、鏡に飛び付いて、目を見開いた。
「キスマーク?!」
鎖骨の下に赤くついた印を何度も確認した。
「今日も出掛けるから、服から見えない場所にしたんだけど」
背後から聞こえる、いたずらな声に、勢いよく振り返る。
「駄目だったなんて、言わせない」
雅は、私との距離を縮める。
「もういつでも…いいよなぁ?」
傾けた雅の顔は、身動きとれない私の首に近づく。
触れた唇から舌に変わる。
「雅…っ」
雅の肩に両手をあてる。
私の腰に回された雅の腕は、逃げる余地すら与えない。
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