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首から離れた雅の顔は、まだ近い。
「今から出掛ける。準備して」
雅はそう言うと、私から離れた。
優しい顔になった雅を見て、心臓の動きは余計に早まる。
雅は振り返る事なく、洗面所を出た。
―…何も言えなかった…
残された私は、シャワーを浴びて冷静になろうとした。
―好き…なんだろうな…
これまでにない、胸の傷みと、満たされた想いに、雅への気持ちを再確認する。
長くシャワーを浴びていたが、雅は何も言わなかった。雅は私の後、すぐにシャワーを浴びに洗面所にむかった。
私は着替えてソファーで待っていると、テーブルにあった携帯が着信を知らせる。
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