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あれから少年は、レオと近くの公園で話をしていました。
「レオは何でここに住んでるの?」
「飼い主だった人間に殺されそうになったから逃げてきた。」
ドクン
「信じてたんだけどな…」
ドクン
少年は胸が締め付けられるようでした。
初めて動物の気持ちを知りました。
「初めはすごく優しくて。いつも遊んでくれてた。」
レオはゆっくりとした口調で話を続けていく。
「ある時御主人の奥さんがいきなり家を飛び出して。」
「奥さんは帰って来なくて。」
「その日から御主人は毎日お酒ばっか飲んで、いつも俺の事を殴るんだ。」
「あいつが出ていったのはお前のせいだって言って殴るんだ。」
「痛くて、痛くて俺は泣き叫んだ。人間にはキャンとしか聞こえないんだろうけど」
「それで俺は、このままじゃ殺されると思って家を出たんだ。」
少年は何も言えなかった。
動物を殺す時、みんな小さな抵抗をする。
でも動物からすれば、それは大きく必死な抵抗。
いつも動物を殺す時みんな鳴く。
でも動物からすれば必死に助けをもとめ泣き叫んでいる。
少年の心は
変わり始めた。
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