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「…え??」
「今…警察から連絡があって…」
事故らしい
でも涙は出なかった。
5歳のあたしはまだ「死」の意味を理解していなかった。
すぐに帰ってくるだろう、そう思っていた。
でも千春お姉ちゃんに悲しいことが起こったんだと言うことは分かった。
千春お姉ちゃんの涙を見たのは初めてだった。
「千春お姉ちゃん」
「…なに…??」
「大丈夫だよ」
「……え??」
「あたしが千春お姉ちゃんを守ってあげるから、泣かないで。」
あたしは小さな体で千春お姉ちゃんの体を包み込んだ。
「さやかちゃん…」
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