彼氏

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え… 好きな女… 気付かなかった。 傍にいたのに。 誰なの…?? 「そいつバカでさ」 フッと春樹の口元と目が笑った。 「まぢ強がりで。でもいい奴なんだ。」 春樹が知らない女の子の話をする。 春樹には他の小学校に女の子の友達はいっぱいいる。 あたしだってその女の子みんなのことを知ってるわけじゃない。 いやだった。 耳を塞ぎたかった。 今すぐその場を逃げ出したかった。 「さやかぁ」 「なにぃ~??」 今にも泣きそうだったから、下を向いてただ靴を眺めているふりをした。 どうしよう。 我慢できないかもしれない。 聞きたくない。 逃げたい。 やだ。 やばい… 泣いちゃう… 「好きだ」
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