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「“眠りの森の美女”って知ってる?」
女の子はそんな質問をしてきた。
「え?あ~、呪いで眠った姫を王子がキスで呪いを解くってやつ?」
「そう、その話がね、今現代で起きてるんだ」
何とも話が見えてこない。
「で、その美女を起こしに行くのを手伝ってほしいんだ」
女の子はクイッと紅茶を飲むと、じっと俺を見つめた。
……綺麗だ。
いや、違う。
つっこまなければ。
「事件じゃないよね?それ」
サクッと言う。
「いや、とうとう死者が出てしまった。それで、急に奴ら焦り出してね、私が出るはめになったのよ」
死者……?
急に物騒になってきたな。
だけど、今の話からどうして死者が出る?
「ちなみに死因って……?」
「心臓性急死、急に心臓が止まってしまう原因不明の死因」
あぁ、ビデオを見ると7日後にってやつ?
「呪いってやつか」
茶化す様に俺は言った。
「察しがいいわね、案外いいパートナーになるかも」
真剣な顔で褒められてしまった。
「……察したんじゃないんですけど」
俺は聞こえない様に呟いた。
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