お客様 私はあなたが大嫌いです

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「陽菜 学校行くよ?」 「朔夜ちゃんごめんね!!まだ髪の毛がぁ~」 柚木 陽菜はあたしの双子の妹。 「朔夜ちゃんと同じ髪型がいいの~」 それほど長くはない髪の毛を片方にまとめようとしているけど一向にまとまらない。 陽菜とあたしは一卵性で容姿は親でさえ勘違いするほど全く同じだけど、中身は真逆。 器用なあたしと不器用な陽菜。 勉強の出来るあたしと出来ない陽菜。 運動神経のいいあたしと運動音痴な陽菜。 あたしのほうが成績も要領もいいのに、いつも周りに人がいて誰からも好かれるのは陽菜。 昨日みたいに陽菜とあたしを間違えてくる奴なんか頻繁にいる。 「仕方ないなぁ あたしがやったげるよ」 「朔夜ちゃんありがとう!!」 だからって陽菜を妬むとかいうわけでもなく、あたしは陽菜と双子でよかったと思ってる。 「朔夜ちゃんありがとう!! 学校行こっか!!」 周りはみんなあたしと陽菜を比べるけど陽菜だけはあたしを1人の人間として見てくれるから。
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