お客様 私はあなたが大嫌いです

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PM22:49 「嫌です」 「柚木さん~お客さんから言われたんだから仕方ないよ。今日の23時頃くるからちゃんとコレ渡しといてね 店 長 命 令!!」 そう言って店長はあるものをあたしに渡した。 「なんであたしがあいつの…」 あたしと陽菜を間違えてナンパした男のネックレス。 あたしが引きちぎってしまったようで、話に夢中でウンターに落ちたことに気付かなかった。 どうやら男が店に連絡して『バイトの柚木サンに預かってもらって』と頼んだらしい。 もう 会いたくもないんですけど。 強制的に渡されたネックレスを見るとプレートの部分に何か文字が彫られている。 「Z…E…AY…UM…」 幾つも傷が重なってよく分からない。 「ゼ…ン…アユ…ミ…」 あたしは照明の加減を工夫しながらそこに彫られた文字を読もうとプレートに夢中になっていた。
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