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「柚木ちゃん!!」
いきなり名前を呼ばれ顔をあげると昨日の男が立っていた。
相変わらずホストみたいな前髪と襟足が長い髪に襟元がざっくり開いて鎖骨が露になったチャラい服。
「柚木ちゃん お疲れ」
先の尖った革の靴の踵を鳴らし目の前に来るなりいきなりカウンターに両手をついてあたしの前に立ち屈託のない笑顔を見せる。
馴れ馴れしい…
嫌そうな表情をしているだろうあたしは無言でネックレスのプレートを差し出した。
「あ゙────!!!」
「…な…何?」
「…チェーンが切れてる…‥あ―ぁ…テンション下がる…」
あ、あたしが引きちぎったから。
大切なモノだったのかな。
《ゼン アユミ》と刻まれたシルバープレート。
きっと 恋人同士の。
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