お客様 私はあなたが大嫌いです

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哉崎 全が出ていった瞬間からまた教室は賑わいを取り戻す。 「朔夜ちゃん…哉崎先輩と何で知り合いなの?」 「コンビニの客」 「あの…ね 哉崎先輩とはあんまり関わらない方がいいよ?」 陽菜が手を添えてあたしに耳打ちする。 「関わりたくないよ あんな軽そうな奴」 あたしも陽菜に耳打ちする。 「朔夜ちゃんそういうの興味なさそーッ」 そう言って陽菜はまた笑顔で友達の輪に戻っていった。 どうやら哉崎 全は同じ高校の3年生みたい。 隣には陽菜がいたのに真っ直ぐあたしのところにきてあたしだけに話してくれた。 同じ学生証もってるのにクラスが書いてあるかどうかさえ忘れるバカでもあたしと陽菜は区別出来るんだ。 最初は陽菜のことが気になってたくせに。 『哉崎先輩とはあんまり関わらない方がいいよ?』 別に、あいつに興味なんかない。 『またコンビニ行っていい?』 考えないようにしてるのにすぐあいつの顔が浮かんで、目をつぶっても眠れなかった。
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