5/11
前へ
/11ページ
次へ
「「海だぁー――っ!!」」 バスを降りた途端に、叫んで駆け出したのは淳一と千代だ。 旅行初日は快晴。 海水浴日和。 「どーする?」 海に向かって走って行く二人の姿を見ながら、洋子が両側に立つ良と拓郎に聞く。 「どーするって…先に遊ぶしかなくねぇ?」 小さくなる二人を見ながら良が聞く。 「計画なんて、あってないようなモノだろ」 歩き出した拓郎が、良と洋子の問いを切り捨てた。 本当だったら、さっさと宿に荷物を置いて、それから遊び。 予定はそうなっていた。 しかもホテルではなく、宿。 予約を入れたのは淳一だった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加