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砂浜に放り出された千代と淳一の荷物を拾い、適当な場所取り。
「お前らも行ってこいよ」
波打ち際で騒いでる奴らを見ながら、拓郎が言った。
無言で拓郎を見た良と洋子は顔を見合わせる。
お前は行かないのか?
無言の問いを拓郎は受け取って、ため息をついた。
「誰か荷物見てないとマズイだろ」
素っ気なく言いながらも拓郎は鞄の中から本を取り出し、二人に見せた。
これがあるから平気だ。
そう言いたいだろう事がわかった良と洋子は頷いた。
けれど、やはり遠慮して、様子を伺ってしまう。
「なんだ?行かないのか?」
立ち尽くす二人に、やはり素っ気なく拓郎が言ったが。
「何やってんだよ、お前ら泳がねーの?」
服を脱ぎながら近付いて来た淳一に、三人は大きなため息をついた。
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