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遠くのはしゃぎ声を聞きながら、拓郎は一人本を読んでいた。 空は何処までも青く、海と混ざり合う。 千代のピンクの水着。 この旅行の為に新しいのを買ったと言っていた。 洋子の黒の水着。 千代と一緒に買いに行ったと言ってたが。 対象的な二人。 そんな二人に勢いよく水を浴びせてる淳一は、反撃してくる女達のに良を押し付けて盾にしてる。 そして馬鹿な淳一は敵を三人作ってしまって…。 本から目を離して、ぼんやりと四人の姿を拓郎は見ていた。 だから、それが目の端に映った時、冷たいモノを感じながらも流してしまった。 真っ白なワンピースから伸びる白い足。 焼けた砂浜なのに、裸足のままで。 まるで熱さを感じないかのように、拓郎のすぐ脇に立っていた。
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