第3章の2

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“暴動が起こった”なんてことは、明後日にでも身内の間で連絡がつきさえすれば、すぐに事実かどうか確かめられることだ。 適当なことを言って、その場を凌いだだけとは考えにくい…。 だとしたら本当に、ここより遥か先でそれは起こったのである。 つまり、エドワードの言ったことは“事実”なのだ。 「…後ろの警部さん」 不意にエドワードが私を呼んだので、「は…はい」と私は思わず返事をしてしまった。 思った通り、エドワードはまた笑って「やっぱり警察の方なんだ」と言った。 「どうして分かるのかって?それは愚問ですね。 だから言ってるでしょう?私には何だって分かってしまうんですよ」 “これで満足か?” とエドワードの笑顔が私に詰め寄って尋ねた。 私は思わず返答の仕様を無くしてしまう。 しかし、その時私の代わりにペテン師の問いに答えたのは…。
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