第5章の2

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しかし、その先は一体何なのだ…? 私はとてもヤキモキした気分だったが、ここでムキになって無理に問い詰めるのは、格好悪い気がして、やめた。 だからそれに引き換えて、私は彼に別の質問を投げ掛けることにしたのだ。 「…で、あのペテン師のアジト、そっちはわれたのかね?」と、もうひとつの気になる答えを引き出す為に。 「ああ、見つけたさ。あれから上手く尾行に成功してね」 ふと気が付いたように、見慣れた笑顔に戻ったギルバートは言った。 「何のことはない。奴はただの貧乏人だったよ」と。
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