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悠斗『ようやく終わった………』
退屈な授業(主にオリエンテーション)が終わり、学校の前にある下り坂を下りて下校している。これから何をしようかと考えながら歩き続ける。
暫く歩いていると……ドンッと云う鈍い音と共に体が宙を舞った。綺麗に錐揉みしながら地面に突っ込む。
悠斗『………………』
??『あっちゃ~……大丈夫?』
??『だだだっ大丈夫ですか!?』
ゆっくりと気取られぬ程度に目を開ける。俺は…この二人を決して忘れないようにした後、死んだ振りを決め込む。一目で双子だと解った。目つきと髪型を除けば…二人はそっくりだったからだ。
??『お姉ちゃん!どうするの!』
??『うーん……起きないからこのまま逃げようか?』
焦る妹と逃げようとする姉。ちょっと待て。轢き逃げは重犯罪だぞ?色々とムカついたのでゆっくりと双子の足首に手を近づける。刹那、思い切り双子の足首を掴んだ。
悠斗『お~ま~え~ら~~』
双子『キャアァァ!』
地を這うような低い声を出して逃げれないようにする。思い切り悲鳴を上げ、パニックに陥っている姉妹。一頻りその光景を見た後立ち上がる。屈伸や手首足首を振って身体の無事を確かめると、ゆっくりと口を開いた。
悠斗『人様轢いてから逃げようなんてすんじゃねえよ。だいたいなんだ?救急車とか人とかも呼ばねえなんてよ。』
??『す、すいませんっ』
??『ゴメンゴメン。』
悠斗『何か釈然としねえ……』
苛ついた表情で姉と思われる人物を睨む。 アハハと笑う姉に対し、妹は必死に謝っていた。
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