プロローグ~出会い~

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その後、二人が家まで送ってくれることになった。断ったんだが……妹の方がそれを許してくれなかった。 ゆっくりと帰路を歩く。ただただ沈黙して。流石に悪いと思っているのか、姉は俯いていた。 不意に妹が足を止める。それにつられて俺と姉も足を止めた。     悠斗『ん……どうしたんだ?』 ??『そういえば、お名前聞いてませんでしたね。私は三門千種(ちぐさ)です。』 悠斗『千種な……。俺は悠斗だ。神島悠斗。』 ??『あっ、アタシ三門千里。宜しく~♪』 悠斗『千種は何組だ?』     会話の途中に入ってきた千里を露骨に無視する。すると…千里は笑顔でネクタイを締め上げてきた。     千里『アンタ、アタシを無視するなんて良い度胸してるわね。』 悠斗『マジスンマセン。』 千種『お姉ちゃんっ』     千種が間に入って止める。いや~、姉とは大違いだな~…と言いそうになったが、次こそ絞められそうになるので止めておいた。 初対面のはずなのに、何故だか話が弾んだ。懐かしく…温かい感じだった。 気がつけば…もう自宅に着いていた。     悠斗『俺の家、この辺りだから。』     思わず嘘を付く。自分の家を知られるのが嫌だった…。 千里と千種に別れを告げた後、俺は家に入った。ベッドに倒れ込むと……何故か睡魔が襲ってきた…。睡魔に体を預けた瞬間………出会った日が終わった……
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