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店に入ると、Y50フーガとアウディTTが展示されていた。
「この2台は何ですか?」
森川は大谷に2台の車の事を尋ねる。
「俺が新たに立ち上げたプロジェクトだ。この2台でD1GPに参戦する。フーガの方は既に乗るやつは決まった。」
大谷は森川にD1GPに参戦の詳細を教える。
「それじゃ、俺はアウディTTに乗れと…。」
森川は大谷にストレートに聞く。
「そういうことや。フーガはうちのデモカーとして、このアウディTTはお前に操ってもらいたくて、俺のポケットマネーで買った。」
大谷は森川にD1GPでアウディTTに乗ることを告げる。
「分かりました。俺が出ればいいんですね。」
森川は、素直に大谷の話を受け入れる。
「そう決まれば、話は早い。事前に連絡しておいたが、お前の監督を村上さんに頼んだ。公務員だからボランティアでさせてくれという事だ。悪いが、この契約書にサインをしてくれ。」
大谷は森川にドライバー契約書を差し出す。
森川は契約書に目を通し、契約書にサインをする。
しばらくして、一人の男が入ってきた。
Y50フーガに乗るもう一人のドライバー、久保田幸秀だ。
「有給休暇とって、朝イチの新幹線で来ました。」
久保田は大谷に報告する。
「よし、紹介しよう。昔、うちの店でスープラをよく預けていて、車なんか知らんかったヤツが今ではプロレーサーになった、森川だ。仲良くしてくれ。」
大谷は森川を久保田に紹介する。
「どうも、昨年のD1GPチャンピオンで横浜ワイバーンレーシングから移籍した久保田です。」
久保田は森川に挨拶をするが、森川の言葉に衝撃を受ける。
「どうも、ホシノインパルでGTドライバーをしている森川です。横浜ワイバーンレーシングか…。
D1にも出てたのは知ってるよ。俺の知り合いもそこのGTドライバーだったけど、八百長の繰り返しで総合優勝、暴力団絡みがあって、日産からサポートを外され、GTの世界からも永久追放されて、ショップも閉鎖したって聞いたかな。」
森川は横浜ワイバーンレーシングの事情を話す。
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