3人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
福岡市のとある場所で暴走族の解散式が行われる。
「残念だが、俺らのチームは今日で解散だ。あとは好きにやるがいい。今までありがとうよ。」
リーダーがメンバーに告げる。
解散に納得行かずに逆上する者、涙ぐむ者と人それぞれであった。
あくる朝…。福岡市内をスーツで走る若者がいる。
高園正一…。福岡最大の暴走族を仕切っていたリーダーであった。
暴走族を辞めた後、ハローワークを辿って見つけた建築資材を扱う会社に働くことになった。
高園は仕事をする傍らで、暴走族をしていた頃からの愛車であるS30フェアレディZをいじり、
D1ストリートリーガルに参戦していた。
そして、最終戦で高園は優勝し、シリーズチャンピオンの称号も得た。
表彰式も終わり、仲間と総合優勝の喜びを分かち合っていた。
幾度もの苦戦を強いられての優勝とD1GPに出場とあって、涙を流すものもいた。
そんな中、一人の男が高園の前にやって来る。
「よう。優勝おめでとう。良かったら、話があるけど、いいかな?」
男は高園に用件を言うと、立ち去っていった。
最初のコメントを投稿しよう!